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【グレイス病院】村田先生の小児科通信 第5回「熱中症について」

グレイス病院 (2025.05.29)

こんにちは、グレイス病院小児科の村田です。

これから梅雨の時期に入りますが、早くも30度を超え、
気候の変動を感じずにいられません。
本格的な夏はまだ先ですが、この時期も体が暑さに慣れていないために、
熱中症に注意が必要になってきます。
今回は熱中症に関してのお話しをしようと思います。

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子供は大人よりも外気温の影響を受けやすいといわれています。
子どもは身長が低く熱い空気がたまる地面の近くに体をさらされやすいこと、
まだ体温調整がうまくできないことや、
体重の割に皮膚の面積が大きいことなどが原因と言われています。
さらに小さい子どもほど暑さやのどの渇きを訴えられないため、
脱水に気づかれにくいことも一因です。

熱中症対策というとまず水分!塩分!と考えがちです。
それらももちろん大切ですが、まず、熱中症をおこしやすい環境を避けることが第一です。
大人だって、いくら水分を飲んでいても長時間サウナに入っていたら
具合がわるくなりますよね?
それを同じようなものと考えてください。

危険な環境としては、高い気温に加えて湿度が高いジメジメした環境、
さらに風が弱かったり、アスファルトの上など熱が反射する場所などが、
熱がこもりやすく危険とされます。
また、夏の車内はさらに危険です。
エアコンが切れるとわずか15分で命にかかわる温度まで車内温度が急上昇するといわれており、
例え短時間でも子供を車内に残すことは絶対に避けましょう。
このような環境を避け涼しいお部屋で過ごすことをまず意識しましょう。
室内でも暑い日にエアコンをつけないでいると熱中症になることもあるので要注意です。
お外で遊ぶときは日よけの帽子に淡い色の吸湿性が良い洋服を選び、
こまめに涼しい場所で休憩を取り、水分・塩分を含む経口補水液などで水分補給をしましょう。

それでも熱中症になってしまったときは早期に異常に気付いて適切な対応をとりましょう。
軽症の熱中症では

めまい、立ちくらみ、生あくび、大量の汗、足がつる

などの症状がでます。
速やかに涼しい場所に移動し、横になって、経口補水液を飲みつつ、
首や脇、脚の付け根を冷やして休んでください。

気づくのが遅れさらに熱中症が進行すると

頭痛、嘔吐だるさ、脱力 ⇒ 意識障害、痙攣、40度以上の高体温

と症状が悪化していきますのでそのような場合は速やかに上記対応をとりつつ、
病院の受診を検討してください。

暑さに体が慣れるまでおよそ2週間はかかるといわれています。
寝不足などを避け少しずつ体を暑さに慣らして本格的な夏に備えましょう!



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